スキル別
あなうめ問題(□を使った式)の教え方:□ + 3 = 7 をどう解く?
□ + 3 = 7 のような□を使った式の教え方を解説。=は「同じ」という意味、てんびんの考え方、テープ図で全体と部分を見分けるコツを、例題と遊びで紹介します。

まず結論
あなうめ問題は、□ + 3 = 7 のように、左右が同じになる数を見つける問題です。まず=を「同じ」と読ませ、全体と部分で考えます。7が全体、3が部分なので、□は 7 − 3 = 4 です。てんびんやテープ図、おはじきを使うとわかりやすく、□に答えを入れて読み直す(4 + 3 = 7)と確かめられます。
要点まとめ
- =は「左と右が同じ」という意味で、「答えを書く合図」ではありません。米国の研究では、2年生での等号の理解が4年生の代数の力を強く予測していました。
- たし算・ひき算は、いつも2つの部分と全体の関係です。全体がわからなければたす、部分がわからなければひく。式の見た目に関係ありません。
- テープ図をかくと、わからないのが部分か全体かがひと目でわかります。2年生から学校で使います。
- 式の形を変えて練習しましょう。3 + 4 = □ だけでなく、7 = 3 + 4 や 4 + 3 = 2 + 5 も。
- 最後は必ず、□に数を入れて読み直して確かめます。
あなうめ問題(□を使った式)とは?
あなうめ問題は、□や?のあいた式で、式が正しくなる数を見つける問題です。たとえば □ + 3 = 7 なら、□は4。学校では「□を使った式」「□にあてはまる数」として出てきます。□は、のちに中学校で学ぶ x の役目をしていて、代数の入り口でもあります。
学習指導要領では、2年生でたし算とひき算の関係を学ぶときに□を使うことができるとし、3年生で、わからない数を□で表して式に書き、□にあてはまる数を調べることを学びます。4年生では□と△の2つの記号を使い、6年生で a や x などの文字へ進みます。
- □ + 3 = 7 → □ = 4(4 + 3 = 7 だから)
- 9 − □ = 5 → □ = 4(9 − 4 = 5 だから)
- □ × 4 = 20 → □ = 5(5 × 4 = 20 だから)
- 12 ÷ □ = 3 → □ = 4(12 ÷ 4 = 3 だから)
- 7 = □ − 9 → □ = 16(16 − 9 = 7 だから)

ヒント 「あといくつで10?」から始めよう(2分)
あなうめは、年長さんでも遊びの中で楽しめます。指を7本立てて「10にするには、あと何本?」と聞いてみましょう。これは 7 + □ = 10 で、答えは3。1年生では「10は7と3」のように、1つの数をほかの数の和や差として見ることを学びます。
あなうめ問題は何年生で習う?
| 学年(年齢の目安) | 学校で学ぶこと |
|---|---|
| 年長(5〜6歳) | 遊びや生活の中で物を数えたり、くらべたりする。式はまだ使わない |
| 小学1年生(6〜7歳) | 1つの数をほかの数の和や差として見る(10は3と7)。+、−、=の記号 |
| 小学2年生(7〜8歳) | たし算とひき算の関係。( )や□を使える。□ + 5 = 12 をテープ図で考える |
| 小学3年生(8〜9歳) | わからない数を□で表して式に書き、□にあてはまる数を調べる(□ + 8 = 17、3 × □ = 12)。「等号」という言葉 |
| 小学4年生(9〜10歳) | □と△で、ともなって変わる2つの数量の関係を表す(□ × 4 = △)。四則の混じった式や( )を使った式 |
あなうめは、子どもといっしょに育ちます。5歳の「あといくつで10?」から、6年生の文字を使った式まで、少しずつ形を変えて続いていきます。国際調査TIMSS 2023では、小学4年生に「5 + □ は12より大きい」「20 − □ は15より大きい」の□に3、5、7、8のカードから数を入れる問題が出され、日本の正答率は81.5%でした(正答は8と3)。全体の流れは年齢別の算数スキルをご覧ください。
=の意味でつまずくのはなぜ?
子どもがふだん目にする式は、3 + 4 = □ のように答えが右にくる形がほとんどです。そのため「=は、答えをここに書くという合図」だと思いこむ子が少なくありません。学習指導要領解説は3年生の□を使った式について、□ + 8 = 17 なら□が9だとわかるだけでなく、「□ + 8 という式そのものが17という1つの数量を表している」と見られるようにすることが大切だとしています。
研究者は、8 + 4 = □ + 5 という1問で、この理解を調べます。多くの子は7ではなく、12や17と答えてしまいます。米国で2年生から4年生まで子どもを追った研究では、2年生での等号の理解が、ほかのちがいを考慮しても、4年生の代数の力を強く予測していました。
- 左側:8 + 4 = 12
- 右側も12にならなければいけない:□ + 5 = 12
- だから □ = 7
- よくある間違い:12(8 + 4 の答え)と17(8 + 4 + 5)
助けになることはシンプルです。=を「同じ」と声に出して読み、式を両方の向きで書きます。3 + 4 = 7 だけでなく、7 = 3 + 4 も。ランダムに分けた実験では、17 = 9 + 8 のように答えを左に書く形でたし算を練習した平均8歳の子どもたちは、いつもの 9 + 8 = 17 の形で練習した子どもたちより、等しさの意味をよく理解していました。

ヒント ほんと?うそ?(夕食時に2分)
式を言って、子どもに判定してもらいます。「6 + 1 は7と同じ。ほんと?うそ?」「7は 3 + 4 と同じ?」「5 + 2 は 4 + 4 と同じ?」(うそ。7と8で同じではない)。
てんびんで考える
式は、シーソーや昔ながらのてんびんのようなものです。両側が同じ重さでなければなりません。片方が重ければ、つり合うまで軽いほうに足します。この見方があると、8 + 4 = □ + 5 も「12とつり合うのは?」という問いになり、自然に考えられます。
米国教育省のWhat Works Clearinghouseの実践ガイド(2021年)には、先生がおはじきで等号の意味を教える例があります。7個の列と9個の列を並べ、「7の列にいくつ足すと9と同じになる?」と聞いて(2個)、7 + □ = 9 と書きます。次に、その2個を9の列のほうに足して 7 + □ = 9 + 2 と書くと、こんどは7の列に4個必要になります。
人間てんびん
- 子どもが両手を横にのばして、てんびんになります。
- 片方の手にブロックを3個、もう片方に5個のせます。どっちが多い?てんびんのように、多いほうへかたむきます。
- 「軽いほうの手に、あと何個のせればつり合う?」と聞きます(2個)。
- 「3 + 2 は5と同じ」と式にして言います。役を交代して、子どもにも問題を出してもらいましょう。
テープ図:全体と部分で考える
たし算とひき算は、いつも3つの数を結びつけています。2つの部分と、1つの全体です。3 + 4 = 7 なら、部分は3と4、全体は7。テープ図は、全体を1本の長いテープでかき、それを部分に区切った図です。学習指導要領解説は2年生で、AとBがわかっていてCを求めるのがたし算(A + B = C)、CとAかBの一方がわかっていて、もう一方を求めるのがひき算(C − A = B)だと説明し、これを図と結びつけて理解させるとしています。
わからないのが部分か全体かがわかれば、計算は決まります。全体がわからなければたし算、部分がわからなければひき算。式の見た目に関係ありません。25 + □ = 40 はたし算に見えますが、わからないのは部分なので、ひき算で求めます。学校では、このように問題の順番と逆に考える問題を「逆思考」の問題と呼ぶこともあります。
- 25 + □ = 40 → わからないのは部分 → 40 − 25 = 15
- □ − 6 = 9 → わからないのは全体 → 9 + 6 = 15
- 14 − □ = 8 → わからないのは部分 → 14 − 8 = 6
- □ × 4 = 20 → 20のテープを4つに等しく分けた1つ分 → 20 ÷ 4 = 5
1つのテープ図から、たくさんの式ができます。部分が3と4、全体が7なら、正しい式は8つ:3 + 4 = 7、4 + 3 = 7、7 − 3 = 4、7 − 4 = 3、7 = 3 + 4、7 = 4 + 3、4 = 7 − 3、3 = 7 − 4。

ヒント メモ用紙にテープ図
宿題であなうめが出たら、紙に長い長方形をかき、上に全体を書いて、2つの部分に区切りましょう。わかっている数を書き入れると、空いているところが□です。ひき算を「たし算を元に戻す計算」として考える方法はひき算の教え方でも説明しています。
ステップで解く:□にあてはまる数の求め方
- 「同じ」を使って読む:「何かに3をたすと、7と同じ」。
- つくるか、かく: ブロックを3個置き、7個になるまで足していくか、テープ図をかきます。
- 部分?全体?と聞く: この問題では7が全体で、わからないのは部分です。
- 求め方を選ぶ: 全体がわからなければ部分をたし、部分がわからなければ全体からわかっている部分をひきます。数え足し(3…4、5、6、7で4つ)でもかまいません。学習指導要領解説は、□に1、2、3…と順に数を当てはめる方法、見当をつけて当てはめる方法、逆算で求める方法を挙げています。
- 確かめる: □に数を入れて読み直します。「4 + 3 は7と同じ。ほんと!」
- はじめにりんごがいくつかありました。5こもらったら12こになりました。
- □ + 5 = 12
- 12が全体、5が部分:12 − 5 = 7
- 確かめ:7 + 5 = 12 なので、はじめのりんごは7こ
このように、はじめの数がわからないお話は、すがたを変えたあなうめ問題です。たし算の教え方で紹介した「10はいくつといくつ」が身についていると、すばやく解けます。
あなうめが楽しくなる遊び(画面なし)
かくれんぼぬいぐるみ
- いっしょにおもちゃを7個数えます。
- 子どもが目をつぶっているあいだに、いくつかをコップの下にかくします。
- 残りを見せて(たとえば3個)、「何個かくれている?」と聞きます。
- コップを上げて確かめ、「3と4で7。だから 3 + □ = 7 の□は4」と式にします。
わたしの数はなあに?
- 「ある数を思いうかべたよ。5をたすと12になる。わたしの数は?」と出題します(7)。
- 順番に、なぞの数の問題を出し合います。
- 難しくするなら「2倍したら18になった」(9)、「4をひいたら10になった」(14)。
- どうやって考えたかを聞きましょう。速さより説明が大切です。
□うめトランプ
- えんぴつを横に置き、=の記号にします。
- えんぴつの左にカードを2枚(たとえば6と3)、右に1枚(たとえば4)置きます。
- 6 + 3 = 4 + □ と読み、□の数(5)を先に言った人がカードをもらえます。
- 右の1枚が左の2枚の合計より大きいときは、右のカードを配り直します。
ほかの遊びはおうちでできる算数ゲームをご覧ください。
よくあるつまずきと対処法
- 見えている数をたしてしまう。 5 + □ = 8 に13と答えます。対処:「5に何をたすと8と同じ?」と読み、物でつくります。
- 全部たしてしまう。 8 + 4 = □ + 5 に17と答えます。対処:まず数がそろっている側を計算し(12)、もう一方をそれに合わせます。
- 全体がわからないのにひいてしまう。 □ − 6 = 9 に3と答えます。対処:テープ図をかきます。わからないのは全体なので、たします:9 + 6 = 15。
- =で始まる式をいやがる。「7 = 3 + 4 は逆だよ!」。対処:両方の向きの式で「ほんと?うそ?」遊びをします。
- 確かめない。 対処:「□に入れて読み直す」を習慣にします。
先生に相談する目安
3年生になっても、どの□にも答えの合計を書いてしまう、答えで終わらない式を受け入れない、という様子が続くなら、担任の先生に伝えて、クラスで使っている図(テープ図や数直線など)を聞いてみましょう。不等号の>と<も、両側をくらべるという同じ考え方です。数の大小くらべもご覧ください。
よくある質問
あなうめ問題とは何ですか?
□ + 3 = 7 のように、□や空らんのある式で、式が正しくなる数を見つける問題です。学校では「□を使った式」として2年生ごろから出てきて、代数の入り口になります。
□ + 3 = 7 は、どう説明すればいいですか?
全体と部分で考えます。□ + 3 = 7 では7が全体、3が一方の部分なので、もう一方の部分は 7 − 3 = 4 です。おはじきでつくったり、テープ図をかいたりすると、見てわかります。
8 + 4 = □ + 5 の□に12と書いてしまうのはなぜですか?
=を「答えをここに書く」という意味だと思っている子が多いからです。=は「同じ」という意味だと教えましょう。8 + 4 は12なので、□ + 5 も12にならなければならず、□は7です。
□を使った式は何年生で習いますか?
2年生で、たし算とひき算の関係を学ぶときに□を使うことができ、3年生で、わからない数を□で表して式に書き、あてはまる数を調べることを学びます。4年生では□と△を使い、6年生で x などの文字へ進みます。
テープ図とは何ですか?
全体を1本の長いテープでかき、それを部分に区切った図です。わからない数が部分なのか全体なのかがひと目でわかり、部分ならひき算、全体ならたし算で求められます。
□ + 3 = 7 は、本当に代数なのですか?
はい、代数の入り口にあたります。□はわからない数を表していて、のちの x と同じ役目です。2年生での等号の理解が4年生の代数の力を予測したという研究もあります。
出典
Edict DigitalのMatoburチームが執筆し、以下の出典と照らし合わせて確認しました:
- 小学校学習指導要領(平成29年告示) (新しいタブで開きます)文部科学省
- 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編 (新しいタブで開きます)文部科学省
- TIMSS2023の結果(概要)のポイント(令和6年12月) (新しいタブで開きます)文部科学省・国立教育政策研究所
- Matthews, P. G., & Fuchs, L. S. (2020). Keys to the Gate? Equal Sign Knowledge at Second Grade Predicts Fourth-Grade Algebra Competence. Child Development, 91(1) (新しいタブで開きます)Child Development(PubMed Central)
- McNeil, N. M., et al. (2011). Benefits of Practicing 4 = 2 + 2: Nontraditional Problem Formats Facilitate Children's Understanding of Mathematical Equivalence. Child Development, 82(5) (新しいタブで開きます)ERIC(米国教育省 教育科学研究所)
- Assisting Students Struggling with Mathematics: Intervention in the Elementary Grades(実践ガイド、2021年) (新しいタブで開きます)What Works Clearinghouse(米国教育省 教育科学研究所)