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わり算の教え方:「同じ数ずつ分ける」からあまりのあるわり算まで

わり算を家庭で教える方法を解説。1人分を求める等分除といくつ分を求める包含除、九九とのつながり、あまりの意味と処理、文章題の読み方まで、例題と遊びで紹介します。

  • 6–10歳向け
  • 小学1年生〜4年生
  • 10分で読めます

まず結論

わり算は「同じ数ずつ分ける」ことから始めます。12個のあめを3人に同じ数ずつ配ると1人4個、12個を3個ずつ配ると4人に分けられます。どちらも 12 ÷ 3 = 4 です。次に九九と結びつけ(3 × 4 = 12 だから 12 ÷ 3 = 4)、実際に残るものを使ってあまりを教えます。わり算は小学3年生で学びます。

要点まとめ

  • わり算には1人分を求める(等分除)といくつ分を求める(包含除)の2つの意味があり、どちらも同じ式(12 ÷ 3 = 4)で表します。
  • わり算の答えは九九で見つけます。3 × 4 = 12 なら、12 ÷ 3 = 4、12 ÷ 4 = 3 です。
  • あまりは、わる数より必ず小さくなります。13 ÷ 4 = 3 あまり 1。
  • あまりをどう扱うかは場面しだい。38人が4人がけの長いすにすわるなら、9 あまり 2 なので10台必要です。
  • 具体物 → 図 → 式の順に。それぞれの数が何を表しているかを、いつも言葉で確かめましょう。

わり算とは?子どもにわかる言葉で

わり算は、毎日の2つの問いに答えます。「1人分はいくつ?」と「いくつに分けられる?」です。子どもは÷の記号を習うずっと前から、トランプを配ったり、おやつを友だちと分けたりして、分ける経験を重ねています。

学校で出てくる言葉を、20 ÷ 4 = 5 で確かめておきましょう。

  • わられる数: はじめにある数(20)。
  • わる数: いくつで分けるかの数(4)。
  • 商: わり算の答え(5)。「商」という言葉は4年生で習います。
  • あまり: 同じ数ずつ分けきれずに残った数。

わり算はかけ算の逆でもあります。4 × 5 = 20 なら、20 ÷ 4 = 5、20 ÷ 5 = 4 です。学習指導要領解説も、3年生で除法は乗法の逆算であることを指導するとしています。32 ÷ 8 なら「8に何をかけると32?」と考えれば、九九の 8 × 4 = 32 から答えは4とわかります。

わり算は何年生で習う?

わり算につながる学習の目安(小学校学習指導要領より)
学年(年齢の目安)学校で学ぶこと
小学1年生(6〜7歳)具体物をまとめて数えたり、等分したりする。わり算の式はまだ使わない
小学2年生(7〜8歳)九九。1/2、1/4などの簡単な分数(12個の1/3は4個のように、わり算の見方の素地に)
小学3年生(8〜9歳)わり算の意味と÷の記号。九九を1回使うわり算(48 ÷ 6、13 ÷ 4)。あまり。80 ÷ 4、69 ÷ 3 のような簡単な場合
小学4年生(9〜10歳)わり算の筆算(÷1けた、÷2けた)。わられる数 = わる数 × 商 + あまり。小数 ÷ 整数

つまり、物を同じ数ずつ分ける経験は1年生ごろから始められ、すばやいわり算は九九と一緒に3年生で身につきます。九九を練習している時期なら、同じ九九を使うわり算もいっしょに練習しましょう。九九の覚え方に、おすすめの順番をまとめています。

等分除と包含除:わり算の2つの意味

2つの意味は同じ数、同じ記号を使いますが、問いがちがいます。学習指導要領解説は 12 ÷ 3 を例に、「12個のあめを1人に3個ずつ分けて何人に分けられるか」(包含除)と、「12個のあめを3人に同じ数ずつ分けて1人何個になるか」(等分除)の2つの意味があると説明しています。

例 等分除:1人分はいくつ?
  • いちご15個を、3つのお皿に同じ数ずつ分ける
  • 1個ずつ順番に、ぐるぐる配っていく
  • 1皿に5個ずつになったので、15 ÷ 3 = 5
例 包含除:いくつ分に分けられる?
  • いちご15個を、1皿に3個ずつのせる
  • 3個ずつ取っていく:3、6、9、12、15
  • お皿が5枚になったので、15 ÷ 3 = 5

解説によれば、包含除のほうが操作がやさしく、「除く」という意味に合います。一方、「割り算」という言葉の意味からは等分除のほうがわかりやすいとされています。包含除は「15から3を何回ひけるか」(15 − 3 − 3 − 3 − 3 − 3 = 0 で5回)とも考えられ、ひき算とのつながりも見えます。等分除は分数にもつながります。15個の1/3は5個です。

ヒント 今すぐできる(5分、画面なし)

クラッカー12枚とお皿3枚を用意し、「同じ数ずつ分けて。1皿何枚?」と聞きます。集め直してから「1皿に2枚ずつなら、お皿は何枚いる?」。同じクラッカーで2つの問いができます:12 ÷ 3 = 4 と 12 ÷ 2 = 6。

ステップで教える:家庭でのわり算の進め方

  1. 具体物で同じ数ずつ配る。 おやつやブロック、トランプを1つずつ「あなたに1つ、わたしに1つ」と配り、「公平かな?どうしてわかる?」と聞きます。
  2. 同じ数ずつのまとまりをつくる。 2こずつ、5こずつまとめて、まとまりの数を数えます。くつした20足分のペアなら10組です。
  3. 図にかく。 12個の○を3つの円に分けたり、4こずつの列に並べたりします。米国教育省のWhat Works Clearinghouseの実践ガイド(2021年)も、具体物と簡単な図をうまく組み合わせることをすすめています。
  4. 式に書く。 ÷の記号を紹介し、「12わる3」「12を3人で分ける」「12の中に3はいくつ?」の3つの言い方をします。
  5. 九九を使う。「3に何をかけると12?」と聞きます。1つの並びから4つの式ができます。
  6. あまり。 クラッカー13枚を3皿に分けると、1皿4枚で1枚残ります。それがあまりです。
  7. 大きな数は分けて。 わりやすい数に分けて考えます(下の2つ目の例)。3年生では 69 ÷ 3 を 60 ÷ 3 と 9 ÷ 3 に分けて考えます。
例 1つの並びから4つの式
  • 1列に4こずつ3列で、○が12こ
  • 4 × 3 = 12、3 × 4 = 12
  • 12 ÷ 3 = 4、12 ÷ 4 = 3
例 大きなわり算を分けて考える
  • 69 ÷ 3 = ?
  • 69を60と9に分ける
  • 60 ÷ 3 = 20、9 ÷ 3 = 3
  • だから 69 ÷ 3 = 20 + 3 = 23
  • 確かめ:3 × 23 = 69

あまりはどう説明する?

クッキー14枚を4人で同じ数ずつ分けると、1人3枚で2枚残ります。14 ÷ 4 = 3 あまり 2 です。かけ算で確かめられます:4 × 3 + 2 = 14。4年生では、この関係を「わられる数 = わる数 × 商 + あまり」という式で学びます。

ほとんどの間違いは、1つのきまりで見つけられます。あまりは、わる数より必ず小さい。 5でわって8もあまっているなら、全員にもう1つずつ配れるはずです。学習指導要領解説も、3年生であまりの大きさはわる数より小さくならなければならないことを理解させるとしています。

例 まちがいを見つけよう
  • 23 ÷ 5 = 3 あまり 8 ✗(8は5より大きい)
  • 5 × 4 = 20 で、23 − 20 = 3
  • 23 ÷ 5 = 4 あまり 3 ✓
  • 確かめ:5 × 4 + 3 = 23

実際の問題では、あまりの意味は場面が決めます。答える前に、それぞれの数が何を表すかを子どもに聞いてみましょう。

  • 1つ増やす: 38人が4人がけの長いすにすわる。38 ÷ 4 = 9 あまり 2 なので、のこりの2人の分も必要で10台。学習指導要領解説で紹介されている例です。
  • 切り捨てる: 100円で30円のあめを買う。100 ÷ 30 = 3 あまり 10 なので、買えるのは3個で、10円残ります。
  • あまりも分ける: ホットケーキ7枚を2人で。1人3枚ずつで、最後の1枚は半分に切れば3枚と半分ずつです。
  • あまりが答え: シール25枚を1ページに6枚ずつはる。25 ÷ 6 = 4 あまり 1 なので、最後のページは1枚です。

ヒント 学校でもここが大切

学習指導要領解説は、あまりのある問題で、答えを元の場面に戻して考える必要があることを確かめる活動を紹介しています。家庭で本物の「あまったもの」について話すことは、まさにその練習になります。

わり算の文章題はどう読む?

文章題は、計算そのものより子どもをつまずかせがちです。What Works Clearinghouseの実践ガイドは、文章題を問題のタイプごとに意図して指導することをすすめています。同じ数ずつの問題には、いつも3つの要素があります。全部の数、いくつ分、1つ分の数です。2つがわかっていて、残りの1つを求めます。

例 全部の数・いくつ分・1つ分の数
  • ジュースは1パック6本入り。30本ほしい。何パック?
  • 全部の数30、1つ分の数6、いくつ分がわからない → 30 ÷ 6 = 5(パック)
  • ビー玉24個を4人で同じ数ずつ分ける。1人何個?
  • 全部の数24、いくつ分4、1つ分の数がわからない → 24 ÷ 4 = 6(個)

ヒント 「ずつ」があっても、わり算とはかぎらない

「4つのふくろに、りんごを6個ずつ入れました。全部で何個?」は、全部の数を求めるので 6 × 4 = 24 のかけ算です。「全部の数はもうわかっている?」と聞きましょう。わかっていればたぶんわり算、それを求めるならかけ算です。

生活の中にはわり算がたくさんあります。ピザ8切れを4人で(1人2切れ)、卵12個を6個入りのパックに(2パック)、おこづかい300円を3人で(1人100円)、60分のおそうじ当番を15分ずつ交代(60 ÷ 15 = 4 回)などです。

わり算が身につく遊び(画面なし)

ぬいぐるみのおやつ会

対象年齢
5〜8歳
時間
10分
用意するもの
小さなおやつやブロック12〜24個、お皿やぬいぐるみ2〜4つ
  1. テーブルにおやつを12個置き、ぬいぐるみを3つすわらせます。
  2. 子どもがおやつを1個ずつ、なくなるまで配ります。
  3. それぞれのお皿をいっしょに数えます。「12を3人で分けると、1人4個」。
  4. ぬいぐるみを4つにして、もう一度分けます。人数が増えると、1人分は増える?減る?

あまりゲーム

対象年齢
8〜10歳
時間
15分
用意するもの
サイコロ1個、乾いた豆やブロック20個、人数分のコップ
  1. 真ん中に豆を20個置き、サイコロをふります。たとえば6。
  2. 真ん中の豆を6つの同じ数のまとまりに分けます:20 ÷ 6 = 3 あまり 2。
  3. あまりの2個を自分のコップに入れ、まとまりは真ん中に戻します。
  4. 真ん中の豆の数より大きい目が出たら、残りを全部もらえます。真ん中が空になったら、豆が多い人の勝ちです。

九九からわり算トランプ

対象年齢
8〜10歳
時間
10分
用意するもの
トランプ1組(絵札と10を抜き、エースは1として使う)
  1. 2枚めくってかけ算をします。たとえば7と3で21。
  2. 相手が2つのわり算を言います:21 ÷ 3 = 7 と 21 ÷ 7 = 3。
  3. 正しければカードをもらえます。役を交代します。
  4. 難しくするなら、答えとカード1枚(42と6など)を言って、かくれた数(7)を当てます。

ほかの遊びはおうちでできる算数ゲームをご覧ください。

よくあるつまずきと対処法

  • 数を入れかえる。「12を3人で分ける」を 3 ÷ 12 と書きます。かけ算とちがい、わり算は順番を入れかえられません。対処:「何を、何人で分けるの?」と聞きます。
  • 同じ数ずつになっていない。 対処:「公平かな?お皿ごとに数えてみよう」。
  • あまりが大きいまま止める。 17 ÷ 5 = 2 あまり 7。対処:「みんなにもう1つずつ配れる?」。答えは3 あまり 2 です。
  • 場面を考えない。「バスは7 あまり 2 台」。対処:答えの意味を聞きます。満員のバスが7台と、まだ2人が待っているので、8台必要です。
  • 毎回1つずつ数える。 対処:知っている九九を使います。5 × 6 = 30 なら、30 ÷ 5 = 6。

先生に相談する目安

3年生の終わりになっても、物を同じ数ずつ分けられない、12 ÷ 3 と 3 × 4 のつながりが見えない、文章題でパニックになる、といった様子が続くなら、担任の先生に相談しましょう。クラスで使っている図(○の図、テープ図、数直線など)を聞いて、家庭でも同じものを使います。3 × □ = 12 のような問題はあなうめ問題(□を使った式)で取り上げています。

よくある質問

わり算をいちばんわかりやすく教えるには?

12個のいちごを3枚のお皿に分けるように、本物の物を同じ数ずつ配るところから始めます。それが簡単になったら 12 ÷ 3 = 4 と式に書き、九九の 3 × 4 = 12 と結びつけましょう。

わり算は何年生で習いますか?

小学3年生で、わり算の意味、九九を1回使うわり算、あまりのあるわり算を学びます。4年生では、わり算の筆算や、わられる数 = わる数 × 商 + あまり の関係を学びます。

等分除と包含除のちがいは何ですか?

等分除は、いくつに分けるかがわかっていて1人分を求めるわり算です(12個を3人で分けると1人4個)。包含除は、1つ分の数がわかっていて、いくつ分になるかを求めるわり算です(12個を3個ずつ分けると4人分)。どちらも 12 ÷ 3 = 4 と書きます。

あまりは、どう説明すればいいですか?

同じ数ずつ分けきれずに残った数があまりです。14 ÷ 4 = 3 あまり 2 のように書き、あまりはわる数より必ず小さくなります。

わり算の前に九九を覚えたほうがいいですか?

九九とわり算はいっしょに育ちます。九九を知らなくても物を分ける経験はできますが、すばやいわり算は九九から生まれます。6 × 7 = 42 を知っていれば、42 ÷ 7 = 6 もすぐわかります。

わり算の答えはどうやって確かめますか?

商とわる数をかけて、あまりがあればたし、わられる数に戻るかを確かめます。23 ÷ 5 = 4 あまり 3 なら、5 × 4 + 3 = 23 になるので正しいとわかります。

出典

Edict DigitalのMatoburチームが執筆し、以下の出典と照らし合わせて確認しました:

  1. 小学校学習指導要領(平成29年告示) (新しいタブで開きます)文部科学省
  2. 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編 (新しいタブで開きます)文部科学省
  3. Assisting Students Struggling with Mathematics: Intervention in the Elementary Grades(実践ガイド、2021年) (新しいタブで開きます)What Works Clearinghouse(米国教育省 教育科学研究所)